富士山はそのシンプルな姿から想像されるように、ただ1度の噴火によってできたのではありません。
小御岳火山(70万~20万年前)、つぎに古富士火山(8万年前)、そして新富士火山(8000年前)の噴火によって現在の富士山が形成されました。
モンテラックから眺める富士山には右側(北側)と左側(南側)に「肩」のように盛り上がった部分が見えます。右側(北側)がスバルライン5合目(小御岳火山、海抜2300m)、左側(南側)が富士宮口5合目の宝永火口です。古富士火山はのちに富士火山最後の噴火である宝永山噴火(1707年)でふきだした噴出物でかくされていましたが、この噴火によって姿をあらわしました。現在宝永山火口にある赤岩が、その頂上で標高2693mです。
現在の富士火山(新富士火山)の活動が開始されたのはいまから約8000年まえのことです。新富士火山の噴火活動の中心は、もちろん頂上噴火ですが、小御岳火山、古富士火山、などの上をおおって、溶岩・火山砕屑物が中心噴火が繰り返されるごとに、積み重なってゆき、ついに今見るような円錐形の富士山を作り上げていきました。
新富士火山の中期から新期にかけては寄生火山の噴火もまた活発になった時期です。
富士山の寄生火山は60~100あるといわれていますが、約半数は北北西~南南東方向のラインに集中しています。またこのラインは富士火山帯の方向とも一致しています。
そして小御岳火山(スバルライン5合目)と古富士火山(富士宮口5合目)もこの北北西~南南東方向のライン上にあるのです。
これは地図で見ると、小御岳火山、古富士火山と山麓の寄生火山が、コブになってならんでいるのが確認できます。(寄生火山列)
つまり富士山の断面は、けっしてすべての方向に一様な円盤状ではなく、じつは北北西~南南東の方向にのびた楕円形なのです。そして富士山頂を基点に北北西~南南東のラインに直角のラインの延長線上に山中湖があるわけです。
山中湖と富士山を同時に見るこの「ライン」上から眺めるが富士山がもっとも左右対称にみることのできる最高のラインなのです。
つまり「山」と「湖」の「ライン」上に「モンテラック」Mont et Lac(フランス語で山と湖)。
この「モンテラック」の名前の所以でもあります。
論より証拠です。モンテラックに来ていただきご自分の目でぜひ確かめてみてください。
きっとすばらしい旅の想い出になることでしょう。
参考 参考文献:「富士山」森下晶、講談社現代新書