双眼鏡の失敗しない選び方

小学生の時、自転車を乗り始めて自分の足で歩き回っていた世界から行動範囲が一気に広がった感動の記憶はないでしょうか。
双眼鏡にも似たような感動があります。それまでは見えなかったものが双眼鏡を手にした瞬間、感動的な光景が目に飛び込んでくる感覚にです。

双眼鏡って?

冬の富士山

双眼鏡には仕様書に何倍という記述があります。例えば、8倍の双眼鏡で800m先にあるものを見たとき、肉眼で100m離れて見ているのと同じ大きさで見ることができます。簡単に言えば遠いものが近くに見えるということ。

モンテラックから富士山頂まで直線距離で約15kmほどあります。例えば8倍の双眼鏡であれば15km÷8倍=1875mまで近くに見えるということになります。
15km先の富士山の山肌が冬であれば雪の斜面が強烈な風で作られる幾何学文様、夏であれば吉田口登山沿いに連なる山小屋がモンテラックから見えるのです。

星空も双眼鏡でお手軽に楽しめます。8倍の双眼鏡で月のクレーターがはっきりと見えます。木星の4個の衛星が見えます。オリオンの大星雲が美しい。スバルも美しく見えます。高価な天体望遠鏡より簡単に星空が楽しめます。

もちろん、バードウォッチングにも8倍が機動力もあり最適です。

(この冬富士の画像は望遠レンズのカメラで撮影しましたが、双眼鏡と同じような画角と距離感のものを掲載しています)

双眼鏡の仕様

ヨドバシカメラやビックカメラ、ホームセンター行くといろいろな機種がたくさん並んでますね。では何を基準に双眼鏡を選べばいいのか。

倍率

高倍率=高性能ではありません。高倍率のデメリットは次の通り。

  • 見える像が暗くなる
  • 見える範囲が狭くなる
  • 手ブレする

レンズ径

双眼鏡のレンズ径

双眼鏡全面のいちばん大きなレンズの直径。レンズ径が大きいほど集光力があって明るさと解像力が向上します。ただしレンズ径が大きいほど高価で重くなります。

見かけ視界

双眼鏡を覗いたときに、ひらけて見える視界の角度のこと。昔の双眼鏡は50度以下が多かったが最近はより広角になり60度がベターです。

見かけ視界(度数)=実視界(°度数)×倍率

例)実視界7.5度 × 8倍=60度

ひとみ径

双眼鏡 ひとみ径

双眼鏡を白い壁に向けたときに接眼レンズ(覗くレンズ)に白い円形が見える、これがひとみ径です。ひとみ径>瞳孔がお勧めです。
ひとみ径は実際に使ってみると見やすさにかなり影響するので、これ結構重要です。

人間の瞳孔は明るいときは3mmくらい、暗くなると7mmくらいに開きます。
よって、ひとみ径>5mmがお勧めです。
ひとみ径=口径mm÷倍率

例)口径42mm÷8倍=5.25mm

アイレリーフ

接眼レンズから「ひとみ」ができる位置(アイポイント)まで測った長さをアイレリーフといいます。このアイポイントからのぞけば、全視野がケラレることなく観察することができます。
また、アイレリーフが長いと、メガネをかけたままでもケラレのない視野で見ることが出来る。

アイレリーフが15mm以上のものであれば、メガネをかけたままでも双眼鏡を使用することができます。

絶対に選んではいけない双眼鏡

使い勝手が良さそうにみえますが以下の仕様の双眼鏡は選ばないで下さい。

  • 高倍率=10倍以上 手持ちで10倍以上は無理です。
  • ズーム式のもの カメラレンズとは違いズーム式の双眼鏡はありえません
  • レンズにコーティングしてあるもの
  • ピント合わせ不要と謳っているもの

失敗しない双眼鏡選び

私がいろいろ悩んで手に入れた双眼鏡の仕様は次の通りです。

  • レンズ径 42mm 倍率 8倍
  • 見かけ視界 60度
  • アイレリーフ 19mm
  • ひとみ径 5.3mm

予算ありき・・・価格と性能は正比例しますし、何台も買い換えるものではないのでちょっと高いかな、くらいがいいかなと思います。

用途・・・何を見るのかによりますが、ある程度オールマイティな仕様がお勧めです。

お気に入りの双眼鏡を持ってちょっと歩いてみませんか。きっと新しい発見があります。

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